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――10年の時を超えた、
        初恋の物語。

 初恋を忘れられない花奈は、中学生のときに訪れたとあ

高校の文化祭で、一枚の写真を見つける。何処か見覚え

のある撮影者の名前は、星蘭高校 2 年生の一条昴。初恋の

相手と同じ名前だった。

「星蘭の写真部に入る」

 夢を叶えて星蘭高校に入学した花奈は、入学初日に写真部へと入部する。担任であり写真部の顧問である誉田先生から、活動は週に一回で部員は一人のみだと聴かされる。加えてその部員かつ部長の一条昴は、暴力沙汰を起こしたヤンキーと呼ばれる超冷淡な一匹狼の問題児だった。

 理想と大きなギャップを感じながらも、昴がすばるくん

かどうかを確かめるため、くじけずに部室へと通う花奈だ

ったが、やっとの想いで逢えた昴からは罵声を浴びせられる。

「へたくそ」
「さっさと辞めろ」

 

 昴から容赦ない口撃に耐えながらも、花奈は初恋の相手

かもしれない彼に認められるよう日々努力を重ねていく。

 

 何度突き放しても追いかけてくる花奈を、昴は次第に認めていく。しかし、昴はとある理由から素直になれずにいた。

​ 紆余曲折を経て花奈の努力が実り仲を深めていく二人だったが、み合っていない壊れた歯車は二人の運命を引き裂くように動き始めるのだった。

「――期待しても良い? 佐倉も、同じ気持ちだって」

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